リスキリングとは
リスキリング(reskilling)とは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と経済産業省の説明にあります。
類似の言葉にアップスキリングがあげられますが、アップスキリングは、従業員の専門分野でのスキルを向上させることを目的としています。
一方、リスキリングでは、従業員が新たなスキルを身につけることで、異なるポジションに就くことができます。
そのため、既存の人材に対する再教育のプロセスであると言えるでしょう。
リスキリングのメリット
リスキリングには多くのメリットがあります。
代表的な2つのメリットを紹介しますので、1つずつ確認していきましょう。
従業員の定着率の向上
従業員が職場で学び、成長できることは、彼らが将来にわたって企業に貢献することにつながります。
リスキリングへの投資は、従業員の現在と将来の価値を高めることにつながります。
新しい職務に就くためのコスト削減
既存の従業員にリスキリングを提供することで、必要なスキルを持つ人材を内部から確保できます。
これにより、採用コストや生産性の低下に伴う負担の軽減が期待できるでしょう。
新しいポジションが必要になった場合、既存の従業員が必要なスキルを持っているため、業務の円滑な進行に役立ちます。
成長マインドを持った新しい人材の獲得
ギャラップ社のレポートによれば、ミレニアル世代の59%は、就職活動の際に学習と成長の機会があるかどうかを非常に重要視しています。
従業員のスキルアップに積極的な企業には、意欲的な応募者が多くなります。
さらに、リスキル文化を理解している現在の従業員が、自分の経験を高く評価することで、従業員ブランドを強化することも大きなメリットの1つです。
従業員のエンゲージメントをサポート
リスキルの機会がある環境は、従業員の満足度を高め、離職を防ぎ、企業全体の成長を促す役割を果たします。
従業員が自分のスキルを向上させる機会を与えられ、組織内の他部門とのつながりを感じることで、共感と団結が生まれるでしょう。
さらに、リスキルの機会は従業員のキャリアパスを促進し、組織の成長と進化に貢献します。
社員の自信とモラルを高める
リスキルトレーニングなどでスキル向上の機会を提供することは、従業員の自信とモラルを高めます。
従業員が自身の能力やスキルに自信を持つことで、組織の生産性やイノベーションが促進され、持続的な成長につながるでしょう。
リスキリングプログラムの効果を最大化するには
リスキリングプログラムの効果を最大化するためには、次の3つのポイントを意識しましょう。
1. スキルギャップを明らかにする
ビジネスの方向性と目標を明確にし、現在の従業員の能力が、定義したスキルや能力をサポートするためにどの程度備わっているかを評価します。
最新のスキルを一覧表にして、従業員の持っている能力を明らかにしましょう。
そして組織が求めるスキルや能力と、従業員が実際に持っているスキルとのバランスを評価してください。
2. スキルの連携性に注目する
スキルの連携性に注目すると、従業員のリスキルや再配置がスムーズに進み、組織の能力を効果的に活用できます。
例えば、シンガポールの銀行では、オンラインバンキングの普及に伴い、カスタマーコンタクトセンターで働ける人員を増やすため、現場のスタッフの再教育を行っています。
3. 具体的なスキルのトレーニングを開催する
部署ごとに必要なスキルを特定し、その優先順位をつけます。
従業員のスキルセットは個人によって異なるため、トレーニングをある程度パーソナライズする必要があります。
スキルの獲得やリスキルトレーニングに積極的な従業員に対しては、報酬や昇進のインセンティブを提供することで、参加意欲を高めることができるでしょう。
従業員にとって、リスキルが新たな展望やキャリアの発展につながることを明確にし、外部のトレーニングプログラムや専門家からの指導を活用することで、より効果的なトレーニングを提供することができます。
まとめ
AIによる業務の代替が進む一方で、新たな業務が生まれています。
これからは、リスキリングを通じて新しい業務に必要なスキルを身につけ、従業員の活躍の範囲を大幅に広げることができます。
組織内でリスキリングを推進し、時代に適した業務スキルを持つ従業員を増やしましょう。
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