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自己評価が高すぎる社員はどう扱う?上手な接し方や評価について解説

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あなたの会社にも自己評価が高すぎる社員がいるのではないでしょうか?

自己評価が高すぎる人は「自分はできる人間だ」という思いが強すぎて、他からのアドバイスを聞き入れない、プライドが高くて、新しいやり方を受け入れないといった特徴があります。

そういった「自己評価が高すぎる」社員はチームの採算性を低下させ、企業としての成長に悪影響を及ぼします。結果的に、企業の不利益につながるといったケースも珍しくありません。

本記事では、そんな自己評価が高すぎる社員の特徴や正しい評価の方法。上手な接し方などの解説を行っていきます。

「自社にいる自己評価が高い職員をどうすればいいかわからない・・・」

そんなお悩みを抱えている人はぜひお読みください。

自己評価とは?

自己評価とは、自分で自身の働きぶりを評価するシステムのことです。一般的に評価と言えば、上司などの管理職からされるものですが、自己評価では、自分自身で行うので、そこに納得感が生まれます。

さらに、自分自身を振り返る機会になるので、自分の抱える弱みや改善点に気がつきやすくなり、社員の成長にもつながるというメリットがあります。

企業が自己評価をさせる目的とは?

企業が自己評価を社員にさせる目的はいくつか考えられますが、大きな目的としては自分自身で成長の機会を得るために行うというものがあります。

基本的に人間は、他人から指摘されたことよりも自分自身で気がついたことの方が行動に移しやすいという特性があります。

同じようにその社員の弱点を認識させるとしても、上司から指摘するのではなく、自分自身で気がつくというプロセスを踏むことで、より効果的に社員が成長する機会を作り出すことができるでしょう。

そのような理由から、自己評価は近年多くの企業で取り入れられている評価方法だと言えます。

自己評価が高すぎる社員を生み出す「ダニング・クルーガー効果」

「あの人はなんであんなに自己評価が高いんだろう?」

そんな風に思ったことはありませんか。

もしかしたらそれは「ダニング・クルーガー効果」が関係しているかもしれません。

ダニング・クルーガー効果とは「能力、知識、経験、専門性などの低い人ほど、自分自身を過大評価する」という認知バイアスの1つです。

心理学者であるデヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが提唱したもので、2000年には「人々を笑わせ、考えさせた研究」に与えられるイグノーベル賞を受賞ました。

自己評価が高すぎる人はメタ認知が苦手と言われています。

自分自身のことを客観的に評価することができないと、ダニング・クルーガー効果で、周囲から「自己評価が高すぎる社員」と認識されているのかもしれません。

自己評価が高すぎる社員の特徴

しかし、自己評価はその評価方法の特性上、正しく評価されない場合があるというデメリットがあります。

そのため、自己評価が高すぎるような人の場合、組織からの評価とのギャップが大きくなり、人間関係のトラブルや、社員の成長の妨げとなってしまうケースもあるのです。

そんな自己評価が高すぎる人の特徴は次の4つです。

①プライドが高い

②自信に根拠がない

③自分のミスを人のせいにする

④ミスを次に活かさない

では、1つずつ解説していくので確認してきましょう。

①プライドが高い

自己評価が高すぎる人はプライドが高い傾向にあります。周囲からの評価はさておき、自分自身では何でもできるつもりでいるので、他人から指摘されることに強い拒否反応を起こします。

そのため、周囲との関係性が悪くなったり、職場の雰囲気が悪くなったりするという悪影響も考えられるでしょう。  

②自信に根拠がない

自己評価が高すぎる人は、その自信に根拠がない場合が多いです。通常新規の業務や今まで経験したことのない仕事であれば、教えてもらいながら1つずつできるようになっていきますが、根拠のない自信を持っている人は「自分ならできる」と思い込んでいることが多いため、大きなミスにつながることも少なくありません。

自分ができると思った理由を尋ねても答えられないような人は、自己評価が高過ぎる人と言えるかもしれません。

③自分のミスを人のせいにする

自分のミスを人のせいにするのも、自己評価が高すぎる人の特徴です。もし、自分自身のミスが招いた失敗だとしても「指示がわかりにくかった」「時間がなかった」「他の人が足を引っ張った」など、自分以外にその失敗の要因を見つけようとします

そのせいで、周囲に不満が溜まり、チームワークが乱れるということも自己評価が高すぎる人の周りではよく発生するでしょう。

④ミスを次に活かさない

もし、ミスをしても立ち直りが早いのも自己評価が高すぎる人の特徴と言えます。ミスをしたからと言って、ずっと落ち込んでいるのもどうかと思いますが、立ち直りが早すぎるのも考えものです。

立ち直りが早すぎると、ミスを反省せず次に活かすことをしないので、また同じミスを犯します。

ミスを次に活かすことができないので、成長することもありません

自己評価が低い社員の特徴

一方、自己評価が低い人もいます。自己評価が高すぎる人とは対照的で、自分自身に自信がなく、不必要なまでにネガティブな人です。

そんな自己評価が低い人の特徴は次の4つです。

①マイナス思考が強い

②褒められるのが苦手

③謝ることが癖になっている

④自分の成功も運のおかげと考える

では、1つずつ確認していきましょう。

①マイナス思考が強い

マイナス思考が強いのが自己評価が低い人の特徴です。物事を悪い方にばかり考える癖がついているので、ネガティブな発言が多くなります

不安要素を予め考えておくことはビジネスにおいても重要なことではありますが、何でもかんでもマイナスに考えていては、いいアイディアも浮かびません。

自己評価の低い人は、思考がマイナスに傾いている特性があります。

②褒められるのが苦手

褒められるのが苦手というのも自己評価が低い人の特徴と言えます。自己評価の低い人は「自分は褒められるに値しない」という思考を持っていることが多く、実際褒められる経験も少ない場合があります。

そのため、人から褒められるとどう反応していいかわからず困ってしまうことがあります。褒めた方としては、喜んでくれると思って褒めたのに、そっけない反応だと「せっかく褒めたのに」と感じてしまう場合もあるでしょう。

③謝ることが癖になっている

謝ることが癖になっているのも自己評価が低い人の特徴です。これは、よく考えて、自分に非があると判断して謝るのではなく、反射的に謝ってしまうようなパターンです。

考えることなく謝ってしまうので、場合によっては自分が悪くないのに「すみません」と連呼していることがあります。

間違った時、相手に迷惑をかけた時に謝罪することは大切ですが、不要な謝罪は相手を不快にすることもあるので注意が必要です。

④自分の成功も運のおかげと考える

最後の特徴は、自分の成功も運のおかげと考えるという点です。どんな成功も自分一人の力で成し遂げるということは少ないかもしれませんが、謙虚になりすぎて自分の力を過小評価し過ぎてしまうと、周囲から嫌味と捉えられたり、上司から適切な評価をしてもらえなくなったりするリスクがあります。

成功を客観的に捉えて、自分の力を推し量ることができると自分自身の成長にもつなげることができるでしょう。

自己評価が高過ぎることによる企業への影響

自己評価が高すぎる社員がいると、企業への悪影響が考えられます。大きな影響として考えられるのは企業の成長が遅くなる、もしくは止まりゆくゆくは企業の不利益に繋がるという点です。

自己評価が高すぎる人は、プライドが高く、他人のアドバイスを聞かない傾向にあります。

そのため、周囲との関係性を悪化させ、自己の成長もストップします。そうすると、チームワークは悪くなり、企業としての成長を阻害するでしょう。

結果的に、自己評価が高すぎる人は、チームの成長を遅らせ、企業に損失をもたらす可能性があるのです。

自己評価が高すぎる人との接し方と正しい評価のポイント

そんな自己評価が高すぎる人には、おすすめの接し方と正しい評価のポイントがあります。

それらは次の3つです。

①客観的な数値で評価する

②適切な距離を保つ

③評価方法を定める

自己評価が高すぎる人の評価にはいくつかポイントがありますが、前提として抑えておきたいのは「客観的」に「事実に基づいて」という点です。

そのことを踏まえた上で、次の3つのポイントを確認していきましょう。

①客観的な数値で評価する

自己評価が高い人と接し、評価する際は「客観的な数値で評価する」ことを心掛けましょう。

もし、評価の際にその社員のミスを指摘したとしても「時間がなかった」「これだけのことをやっている」のように、言い訳をしたり、別の問題にすり替えたりすることで、議論が平行線となる場合があります。

そうならないために、「○○さんは30分で完了させた業務をあなたは120分かかっています」のように客観的な数値をもって評価することで、本人の自覚を促すことにつながります。

注意が必要なのは、その際に責めるような指摘だけになってしまうと、本人の自尊心を傷つけるだけになってしまうので、人格否定はせず、起こった事実にだけ目を向けて評価することが望ましいです。

②適切な距離を保つ

次のポイントは適切な距離を保つという点です。上司と部下の関係性は必ずしも強い上限関係で結ばれている必要があるわけではありませんが、評価者と被評価者という関係性が崩れるほど、距離が近くなってしまうのも考えものです。

距離があまりにも近い関係性だと、その間に甘えや油断が生まれ、評価に対して言い訳をしやすくなる傾向があります。

特に自己評価が高過ぎる人は、自分自身のミスを認めにくいという傾向があるので、適切な距離を保つことは重要なことだと言えます。

③評価方法を定める

最後は、評価方法を定めるというポイントです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、多くの企業で具体的な評価方法が定められていないのが現状ではないでしょうか。

定められていたとしても「多くの顧客を獲得した」や「上手にタイムマネジメントを行った」など、「多く」や「上手」など、人によって基準の異なる言葉を使って評価しているケースもあります。

これでは、評価者の主観が入ってしまいますし、お互いの納得感が生まれません

評価方法を具体的に定めることで、自己評価が高すぎる人に対しても、適切な評価を与えることができるようになるでしょう。

まとめ

自己評価が高すぎる人は、プライドが高く自分の考えを曲げない傾向があります。しかし、そんな人とも一緒に仕事をしていく上では、円滑なコミュニケーションをしていく必要があるでしょう。

そのために必要なのは、客観的で具体的な評価方法を定めることです。

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この評価制度は人材育成に成功していると言える、Zappos・ミネルバ大学・ディズニー・リクルート、スターバックスなどから、実際に研修を受けることでベースを作成し、そこから社内で出た不平不満をもとに独自のアレンジを加えて作り上げたものです。

自己評価が高すぎる人を含め、効果的な人事評価制度を構築したいと考えている人は、ぜひ以下の記事もお読みください。

本記事を参考に、自己評価が高すぎる人とも良好な関係性を構築し、企業の成長をスピードアップさせてください。

 

参考

 

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