人材開発

注目の組織文化!”ティール組織”の導入事例と成功パターン

前回ご紹介した「ビュートゾルフ」。

ビュートゾルフを知る人からは、称賛の声が上がっています。

ビュートゾルフに関するX(旧Twitter)の反応

https://twitter.com/KomaKenOfficial/status/1706639760184197489

世界一ティールな組織・・・そう、ビュートゾルフはティール組織です。

ティール組織とは?

2014年にフレデリック・ラルーが執筆した「Reinventing Organizations」にティール組織は紹介されています。

この中でティール組織は、5つの組織モデルとして紹介され、最も先進的な段階とされています。

ティールとは「青緑色」をあらわす言葉です。

 

 

ティール組織とは管理職が存在せず、メンバー各々が意思決定権を持つ組織を指します。

ティール組織に重要な3つの要素

まずティール組織に共通する3つの要素から見ていきましょう。

自主経営 (セルフマネジメント)

従来のような上下の階層構造ではなく、メンバー個人が自己管理を行います。
組織内の個々のメンバーは、自分自身やチームの業務や意思決定に責任を持っているのが特徴です。
メンバーがより自律的に行動し、自身のスキルや専門知識を活かして業務を進めることを促進します。

存在目的(エボリューショナリーパーパス)

メンバーが組織全体の目的や価値を理解し、それに基づいて役割や責任を果たします。
メンバーは自身の役割が組織の目的達成にどのように関連しているかを理解し、それに従って行動します。

全体性(ホールネス)

ティール組織では、透明性が重視され、情報の共有や意思決定プロセスのトレーニングも行います。

メンバー同士や組織全体でのコミュニケーションを促進し、メンバー一人ひとりが自身の個性や感情を表現することで、全体としての組織文化を形成することが重要となるためです。

これらの要素は、従来の組織構造からの脱却やメンバーの自己管理能力の育成など、ティール組織がより柔軟で効果的な運営を実現するための要素となります。

ティール組織の導入事例

ティール組織は、世界的に注目されている組織形態でビュートゾルフのように導入している企業はいくつかあります。

海外企業と日本企業の導入事例を見ていきましょう。

パタゴニア社

環境に配慮したアウトドアブランドとして知られているPatagonia(パタゴニア社)
この会社では、メンバー一人ひとりの自主性を重んじ、自分の人生を楽しむための環境を整えています。

パタゴニアの組織構造は、リーダー、マネージャー、プレイヤーの3つに分かれており
CEOのイヴォン・シュイナード氏は、

リーダーはビジョンを設定し、それから身を引くべきだと考え
そしてマネージャーはチームを率いながら、各メンバーに自律性を与える

と考えています。

社員は自律性を持ち、マネージャーのサポートを受けながら仕事を進めていくスタイルです。

また、社員のプライベートな活動をサポートしたり、環境問題に関するインターンシップに参加する費用を負担することもあります。

このような取り組みは、社員が自らの仕事に責任を持つことを基盤とし、パタゴニアの成功やメンバーの定着につながっています。
産休を取る社員の復帰率も100%と高く、退職率も業界の中でも低水準を維持しており、ティール組織の成功事例と言えるでしょう。

参照:ナイキやパタゴニア等に学ぶセルフマネジメントを促す組織体制

株式会社ビオトープ

株式会社ビオトープは、企業や個人の人材育成に注力しているWebコンサルティング会社です。

株式会社ビオトープでは、タスクに基づいたプロジェクトを組んでいます。

プロジェクトのメンバー同士は「共鳴」というつながりを大事にし、プロジェクトの目的を広く発信して、「共鳴」した人たちから新しいメンバーを募集しています。

この会社では、WEB会議を使って、地理的制限を超えたミーティングを行い、プロジェクトの目的や全体の関わりを明確にしています。
個人と組織の目標を合わせて、メンバー同士が共通の方法を見つけ出し、問題を解決できる人材を育成しています。

ティール組織の特徴として、共通した価値観を大切にする組織構造や、目的の共有によるメンバー一人ひとりの仕事への意識強化が挙げられるでしょう。

参照:ティール組織の事例紹介!ティール組織を実現した企業の事例について

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、グループウェアの開発・販売を行うソフトウェア開発会社です。

サイボウズでは、社内の透明性と情報共有を重視し、誰が何を担当しているかやプロジェクトの進捗状況を透明化すること大事にしています。
この取り組みは、ティール組織の重要な要素である『自主経営(セルフマネジメント)』と連動しており、情報格差をなくし透明性を大切にすることで個人が主体的に判断できる環境を作り上げています。

参照:
ティール組織が正しいわけではない。ありたい姿でいられて、仕事をいいわけにしない組織は強い ──嘉村賢州×青野慶久
サイボウズ企業理念(公明正大)

まとめ

ティール組織は、自主経営・存在目的・全体性の3つの要素を特徴とし、従来の組織構造とは異なる柔軟性と自律性を持ち合わせた新たな組織モデルです。

ビュートゾルフをはじめ、パタゴニア社や株式会社ビオトープなど、実際にこれらの要素を取り入れ成功している企業は存在します。

このティール組織は、個々のメンバーが自己管理し、組織全体の目的に向かって自律的に行動する環境を重視しています。
透明性や情報共有を大切にし、全員が共通の目標に向かって協力し合うことで、組織の成長や持続可能な成功に繋がると言えるでしょう。

自身の組織にすでに取り入れられたティール組織の要素、今後取り入れられる要素がないか考えてみてもいいかもしれません。

Empower Pathのビュートゾルフ記事はこちら

関連記事