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【有給休暇】は取得が難しい?取得率を世界16カ国と比べてみた

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アフターコロナ後、初めての夏がやってきました。

もうすぐ夏季休暇に入る方も多いのではないでしょうか?
あなたの企業では、どのくらいの期間、休みの取得が可能とされていますか?

夏季休暇は、業種によってさまざまですが、一般的に3~4日程度とされており、8月15日頃に設定されることが多いとされています。

例年8月14~16日を夏季休暇とする企業が多く、今年2023年は休日とあわせて6連休、さらに2日有給休暇をプラスして10連休…という方も中にはいるかもしれません。

(2023年の夏季休暇一例 ⇩ )

本日は、夏季休暇も含めた有給休暇の日数と取得率について、他国との日数の違いや、企業における休暇の活用方法について紹介します。

フランスの夏季休暇事情

筆者が住むフランスでは、夏季休暇は7月〜8月にかけて3~4週間、まとめて取得する人が多い傾向があります。

というのも、EU (欧州連合) 加盟国の法律では、すべての企業およびすべての社員に対して、最低でも年4週間の休暇取得が法律で義務づけられています。

さらにフランスの法律では、休暇の取得は連続5週間まで可能となっているため、まとまった休みを取ることに対する職場への抵抗感がないのかもしれません。

また、この時期には商店やパン屋さんも長期休暇に入るところが多くあるため、場所によっては夏休みシーズンが閑散としている、、なんて場合も多々あります。

一方、日本の夏季休暇の平均日数は、下記のマクロミルの調査によると、
3日~6日が多くをしめており、10日以上夏休みがあると応えた人は、全体の8%にも及びませんでした。

引用:マイナビニュース:2022年会社員の夏休み「5連休」が最多 – 取得タイミングは?
マクロミル 会社員の夏休みに関する定点調査(2022年版)日本では、夏季休暇がない会社も、法律上はまったく問題がありません。つまり、逆にいえば夏季休暇の取得は従業員にとっては義務ではないのです。

日本の有給休暇取得率はワースト2位!?

毎年行われているエクスペディアの「有給休暇の国際比較調査」では、2022年度の日本の有給休暇取得率は60%とかなり低い数値でした。

また、取得日数においても支給された20日間のうち、12日間の取得にとどまっています。

この取得率は調査した他の16カ国の中で下から2番目に低い数値です。

引用:Expedia:【エクスペディア 世界16地域 有給休暇・国際比較調査 2022】 日本、有給休暇の取得率 世界ワースト2位 若者世代の取得率は高い傾向に

日本における、有給休暇の取得率が低いとされる要因には、以下の理由があげられます。

働く文化と長時間労働

日本の労働文化では長時間労働が一般的とされており、多くの従業員が有給休暇を取得することをためらう傾向があります。
企業全体が繁忙期やプロジェクトの期限を優先することで、従業員が休暇を取得することを奨励しない場合もあるでしょう。

このような働き方文化が、有給休暇の取得をちゅうちょさせる要因のひとつと考えられます。

人手不足と業務の負担

日本は現在、人手不足が深刻な社会的課題となっており、多くの企業では、従業員の休暇を取ることで業務が滞ることを懸念して、有給休暇の取得を制限することがあります。
特に中小企業では、従業員が交代で休暇を取ることが難しく、休暇の消化が十分に行われない状況が見られます。

休暇に対する周りからのプレッシャー

日本社会では、有給休暇を取得することが他の社員に迷惑をかけてしまう…と感じる従業員が多くいる傾向にあります。

仕事への責任感や同僚との連携を重視する文化があり、休暇を取得することが個人の意欲を示すのではなく、逆にマイナスのイメージとなる場合があります。
これにより、従業員は有給休暇を取得せず、働くことを選ぶ傾向が見られます。

これらの要因により、日本の有給休暇取得率は他国に比べて低い状況が続いているのが現状です。
働き方改革を進めることで、有給休暇の取得が促進=従業員の健康と生産性の向上につながるでしょう。

有給休暇を取りやすい環境とは?

従業員に未消化の休暇を取得させることは、生産性の向上やストレスの軽減につながり、従業員はもちろん、長期的にみると企業にも利益をもたらすでしょう。

では、実際にどのように環境づくりをしていけばいいのか?
Robert Half では、従業員が休暇を取りやすくするヒントを紹介しています。

社内で休暇の事前予約をする

スタッフには未消化の休暇を前もって予約するよう促します。
メールで休暇のメリットを強調し、プロジェクトを考慮した柔軟な休暇サポートを提供しましょう。
有給休暇の積極的な取得を奨励することで、従業員の働きやモチベーションにもプラスに影響します。

適切にカバーできる人を見つける

従業員の年次休暇の取得を心配させないよう、適切なフォローをしましょう。
タスクを他の同僚に分散したり、引き継ぎメモを作成したりしてプロジェクトをスムーズに進め、休暇中も業務が円滑に進むようサポートしましょう。

さらに、普段から皆がカバーできるような仕組みづくり、ひとりの人間にしかできない仕事を作らないことも重要です。

協力的な職場環境の構築

従業員の有給休暇の取得を容易にし、積極的に対応することで、彼らのモチベーションと生産性を向上させ、効果的な職場管理につながります。

直前の休暇要求殺到を防ぎ、従業員が休暇を逃すことなく、積極的に休暇を活用できる環境を整備しましょう。

休暇後の職場復帰のサポート

休暇からの復帰には時間がかかり、電話やメールでスタッフからの問い合わせが多くなるかもしれません。
職場復帰の初週は、新しいプロジェクトや会議を控えめにし、余裕のあるスケジュールになるようにサポートしましょう。

そうしないと、従業員は職場に戻ってきて、すぐに別の休暇が必要だと感じ、士気を高めるための休暇の取得が、逆効果になってしまいます。

まとめ

いかがでしたか?
有給休暇の取得のしやすさは、企業にとって「働きやすいホワイト企業」「従業員を大切にする会社」といったイメージが広がり、人材採用に好影響があるでしょう。
それは、優秀な人材が集まりやすくなる、ひとつの要因にもなります。

また、すでに働いている社員の満足度が上がることで、仕事へのモチベーションが高まることや、会社へ貢献する気持ちがわき、働く意欲を刺激する効果もあります。

従業員に協力的な職場環境を整え、有給休暇の活用を促進し、従業員の働きやすさ向上と企業の成長を両立してみませんか?

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