心理学のツール「ジョハリの窓」とは?
「ジョハリの窓」とは、1995年アメリカ、サンフランシスコで発表された心理学のツールです。
ジョハリの窓では自分の性格や考え方を「4つの窓」に分類し、「自分から見た自分」と「他人から見た自分」を知ることで自己分析を行うことができます。
4つの窓を利用した自己分析方法
ジョハリの窓では、以下の4つの窓にわけて、自分の性格や特性を当てはめていきます。
- 自分も他人も共通して知っている「開かれた窓」
- 自分では気が付いていないが周りからはこう見られているという「気づかない窓」
- 自分では認識しているが、周りには公開していない「隠された窓」
- 自分も他人もまだわかっていない「未知の窓」
多くの場合は、「話し好きである」「几帳面である」「流行に敏感である」など性格や特性を表す語句が既に用意されており、それぞれの特徴がどの窓に当てはまるのかを自分や他人の意見を参考に振り分けていきます。
例えば、自分では自分が欲しい服を購入しているだけで「流行には敏感ではない」と考えていたが、周りの意見を聞くと「いつもお洒落で流行に敏感だと思う」と言われた場合は、自分では気が付いていないが周りにはこう見られているという「気づかない窓」の部分にそのキーワードを書き込みます。
このように、事前に準備された40-50個程度のキーワードを振り分けていくことで、自分では気づかなかった自分の姿と向き合うことができるのです。
分析結果で自己理解を深めよう
どの窓にどのようなバランスでキーワードが振り分けられたかで、あなたの他者へのコミュニケーション方法がわかります。
「開かれた窓」
この部分に該当数が多かった方は、うまく自己開示ができており、自分の性格や能力が他人からの評価と一致していると言えます。
一方、該当数が少なかった方は、周囲の人があなたの特性を理解できていない可能性があります。
自分の好きなことややりたいことをもっと開示すると、他人とのコミュニケーションがとりやすく、やりたいお仕事やイベントから声をかけてもらえるようになるかもしれません。
「気づかない窓」
この部分に該当数が多かった方は、自分の性格や能力を把握しきれておらず、活かしきれていない可能性があります。
該当した項目内容や、分類時に周囲の人から聞いたエピソードをよく確認し、うまくコミュニケーションに取り入れていきましょう。
「隠された窓」
この部分に該当数が多かった方は、他者に開示していない部分が多い方です。お仕事に関係のない内容であれば問題ありませんが、「他人からの評価を気にする」「企画するのが得意」など業務に関連する可能性がある場合は積極的に開示していくとスムーズに進むでしょう。
「未知の窓」
この部分に該当した項目は、まだあなたが手にしていないスキルです。どのような項目が分類されたのかを確認し、意識して生活に取り入れてみると良いでしょう。
ジョハリの窓のメリットは?
①グループワークでコミュニケーションがとれる
ジョハリの窓は複数人で行うグループワークです。
同じプロジェクトを行う社員や学生を集めて実施すれば、グループワークを通して仲が深まり、その後のプロジェクトがスムーズに進むきっかけになるかもしれません。
②他者からみた自分がわかる
普段の生活で「他者から見た自分」を知る機会は多くありません。
ジョハリの窓のグループワークを行うことで、ゲームをするような感覚で自分の隠れた長所や才能、特性を発見できる可能性があります。
ジョハリの窓のデメリットは?
①友達(自分のことを知っている他者)がいないと活用できない
ジョハリの窓は「他者からみた自分」を知ることで自己理解を深めるツールです。「自分のことを知っている他者」を集めるのが難しいという声がありました。
今日保険でn回目なジョハリの窓出てきたんだけど、「自分の席から出歩いて他人には見えていて自分には見えない自分の性格を友達に書いてもらおう」って教科担任が言ったので、同じクラスに友達がいない私は無事死にました。
— グレイ@取引 (@ninedays_M) January 20, 2017
②心理的負担が大きい
グループワークではポジティブな内容だけが話題に上がるとは限りません。繊細な人にとっては、他者からの評価を聞くこと自体が辛い時間になってしまうようです。
ジョハリの窓ですね。なかもと難しいですよね〜 RT @Ri_beauty 他人に思われてる自分が、
自分が思ってる自分と違くて
今日は、複雑な気持ちになりました。
悲しい。— v_usk (@v_usk) March 21, 2011
今日授業でジョハリの窓書いたら大変悲しい結果が出たので皆さんもやってみてください。
— わや (@wayamax00) November 24, 2016
同僚とお互いにマンツーマンのぶっちゃけトークして関係改善する、いわゆる「ジョハリの窓」セッション。実のある話だったけれど、それをトリガーにしてこの1年半で実現を諦めた多くの企画の屍と、そのときの悔しかった思いが一気にフラッシュバックしてしまって、とてもつらい。
— 加納愛 | Ai Kano (@ai_kanoh) January 15, 2015
③喧嘩になる
他者からの評価が、自分にとっては「正しくない」と感じることもあるでしょう。両者の意見が一致しないと、コミュニケーション方法の改善どころか、グループワーク中に口論になったり、その後の人間関係にも亀裂が入ってしまう可能性があるようです。
てらさん、おはようございます☀️
ジョハリの窓って全然知らなかったけど、研修でこういうのやってくれたら、自分のことも他の人のことも良く分かりそうでいいね!ケンカになったら怖いけど😅— なずな🌿息子ほぼ不登校だけど色々ゆるっとやってみる🧶 (@nazuna_tobright) October 2, 2020
うちの子がよその子を紹介するタグ、そう見えてたんだなーとちょっと驚いてたり。
いわゆる「ジョハリの窓」という奴ですね。
RPの時に意識してるポイントと一致してると嬉しい。
でもズレてると反論したい気持ちと、そうかもしれないという気持ちが喧嘩する…— まるか (@malca_coc) July 10, 2018
まとめ
ジョハリの窓を行うことで、隠された能力の発見や他者へのコミュニケーション法を分析することができる一方、実施方法によっては参加者の心理的負担や人間関係の悪化を招く恐れがあることもわかりました。
実施をする場合は、ネガティブな内容はポジティブな言葉に言い換えるように伝えたり、ワークシートを作成するなどして決められた用語内のみで分析を進めるなど工夫を凝らして行いましょう。
オレコンでの取り組み-WCMシート
弊社 株式会社オレコンではスタッフ全員がWCMシートを書き、WCM面談を受けています。
WCMシートとはジョハリの窓と同じく日本でも広く使われている自己分析ツールの一つで、Will(やりたいこと、夢) Can(いまできること) Must(夢の達成にやらなくてはいけないこと)を書き出してスタッフの夢の達成のために今取るべきステップを導き出すシートです。
弊社では担当業務を決める際、このWCMで出てきた自分のやりたいこと、夢の実現をベースとして依頼をするため、面談を受けたスタッフは担当業務を自分事として積極的に取り組んでいます。その結果、スタッフだけでなく、会社の業績や成果の向上にもつながるのです。
※弊社オレコンのWCMについて参考にしたい方は、下記も併せてお読みください。
また、WCM面談は、ジョハリの窓とは異なり、面談はスタッフと面談者の2名のみで行われ、スタッフは自分でどこまで開示(記入)をするかを決めることができます。そのため、心理的負担が大きい部分についてはご自身で調整できますので「友達がいない」「心理的負担が心配」という方も安心して使って頂けるツールです。
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