フィンランドの独走状態 6年連続優勝を達成
ギャラップ世界世論調査によるWorld Happiness Reportのランキングによると、フィンランドが6年連続で世界で最も幸福な国であることがわかりました。総合得点10ポイント中7.8ポイントと2位のデンマークを0.2ポイント離し、独走状態とも言われています。
気になる日本のランキングは47位。
昨年のランキングより7つ順位を上げたものの、主要7カ国(G7)では最下位となりました。
幸福な国ランキングのチェック項目は、多岐にわたりますが、
本日はフィンランドの労働環境について調査してみました。
「フィンランド人って4時には仕事終わってるんでしょ?短い時間で仕事が終わって羨ましい、日本じゃそんなの無理だし…」
なんて思っていませんか?
調べてみると驚くべきことに、仕事をしている時間は8時間と日本もフィンランドも同じ。
では、なぜ幸福度がこんなにも違うのでしょうか。
フィンランドのワークカルチャー
1.公平性
役職や上下関係は存在しつつもフィンランドの企業はヒエラルキーを感じさせないフラットな労働環境です。例え社長を呼ぶときでも「社長」という役職は使わず「ヘンリック!」などファーストネームで呼び合います。
その理由には、上下関係は仕事の効率を下げたり、ぎこちない関係になることは仕事のスピードを落とすと考えているからです。
2.信頼性
フィンランドでは、与えられた仕事は必ず自分で完遂することが期待されています。そのため、フィンランドの上司は、部下の仕事に口出しをしたり、監視したり、いちいち進捗(しんちょく)の報告を求めません。上司は部下が仕事を完了することを期待し、信頼しているので部下は自由に仕事を進めることができるということです。(もちろん結果は大切ですが)
もし、途中で仕事が行き詰ってしまいそうなときは、上司に余裕をもって相談する必要があります。なぜなら上司は仕事はうまくいっているものだと思っているからです。公平性が保たれている環境ですから、質問もしやすい環境です。質問をせず誤った方法で誤った結果が出てしまった方が、時間を無駄にすると考えられています。
3.時間厳守
フィンランドでは時間を守ることは、たとえ仕事以外でもとても重要視されています。友人との待ち合わせでも5分から10分前行動は当然という意識です。
無駄なことを嫌うフィンランド人にとって、遅刻をするということは相手の時間を尊重しない、非常に無礼な行為だとされています。これは日本人にも共通していますね。
4.単刀直入
時間厳守であると述べたように、フィンランド人は時間をとても大切にします。そのため、会議が始まる際も「お子さんはお元気ですか」や「昨日の野球は盛り上がりましたねえ」などと議題に関係のない話はしません。すぐに議題に入り、終わったら即解散です。
ただ、仕事以外の話は全くしない冷めた同僚関係なのか、と言ったらそういうことでもなく、ランチやコーヒーブレイクのときに同僚と談笑することはコミュニケーションを大切にする意味で推奨されています。
加えてフィンランド人は言葉にすることがすべて、というのが国民性です。対して日本では行く気もないのに建前で「ぜひ今度一緒にゴルフでも」と言いますね。相手がフィンランド人なら「じゃあいつにしますか?」と返ってくるでしょう。
5.長時間労働よりスマートさが評価される
フィンランドでは「長く働く人、頑張って働く人」は評価されない傾向にあります。フィンランド人は「スマートに働く」ことを目指しています。なぜなら仕事よりも家族との時間、プライベートの時間を大切にしているから。勤務時間は月曜~金曜まで一日8時間と決まっていますが、大きなプロジェクトがあるときなどはもちろん残業もします。しかし、その場合は残業手当が出るか、2時間残業した翌日は2時間少なく働くなどフレキシブルに調整が可能です。
まとめ
フィンランド人の働き方は、無駄をとことん取り除すワークカルチャー。だからこそ、同じ時間仕事をしながらプライベートの時間をしっかりと確保することができるのですね。
幸福度というのは自由度に直結するといわれています。自由があればあるほど人々は幸福を感じやすいのです。
その点でフィンランドのワークカルチャーは公平性の上に個々への信頼と責任が伴う自由な環境だといえるでしょう。
先進国の中でも幸福度が低いといわれている日本でもフィンランドに倣って取り入れることができる部分もあったのではないでしょうか。