優秀な人を正しく評価する大切さ
従業員を雇い、会社を経営していると、必ず訪れるのが業績評価。優秀な人の業績を評価し昇給し、そうでない人には何が足りないのかを明確に伝える必要があります。
しかし、中小企業の場合、評価制度が存在しなかったり、人事権のある人物の好みや偏見によって評価にばらつきが出てしまうことがよく起こります。
そこで、正しく人事評価をするためにGoogleが行っているテクニックに『悪魔の代弁者』というものがあります。
採用における好みや偏見についての記事はこちらをお読みください
『悪魔の代弁者』の語源
簡単に言うと、カトリック教会で、死後この人物が天国に行くのか、そうでないのかを決める審議の際に、あえてその人の悪事や行いの疑わしさを神に教える役が『悪魔の代弁者』であった、ということです。
Googleが業績評価で重視していること
転職や企業情報を掲載しているZIPPIAによるとGoogleの従業員は約14万人。
Googleにはこの14万人の業績評価を公平に、且つ、どの国でも、誰もが同じ評価ができるような人事評価制度が存在します。
そこで大切にされているのが偏見の除外です。
偏見の除外とは
メラビアンの法則では『人の第一印象は3~5秒で決まる』と言われていますが、職場でのその人がもたらす印象は、必ずしも業績評価にはつながりません。業績評価をする際には公平な判断が求められます。
偏見によって公平な評価がされないことのないよう、明確に定義された評価制度で個々が評価されるべきです。
悪魔の代弁者の役割
Googleでは昇進される人材が選定されたあと、業績評価会議が行われます。評価担当者たちがグループで昇進、昇格について話し合います。
そこで評価担当者の見解に大差がないときに悪魔の代弁者が必要になります。
悪魔の代弁者の役割はあえて反対意見を言うことです。
「悪魔の代弁者」の発言は、あなた自身の意見である必要はありません。
あえて、反対意見を言うことで議論に別の視点を投げかけるのです。
Googleでは必要に応じて、悪魔の代弁者になることを推奨しています。
そしてその発言によって、特定の個人が責任を取る必要はないと明記しています。
悪魔の代弁者の例
では、実際の業績評価会議の例を見てみましょう。
■(例) 評価担当のABCDが佐藤さんの昇格を業績評価会議で審議中。
<ここで会議参加者が『佐藤さんを昇進させる』に傾いてきたところで悪魔の代弁者として発言をするのです。>
このように、あえて反対意見や疑問を発言することで、グループで誤った決断をストップさせたり、話し合いに別の着眼点を持たせるのが悪魔の代弁者の役割です。
まとめ
どうでしたか?会社にいるとグループで決断をする機会が多くあります。
そのとき「本当にそうだろうか?」という人物が一人でもいると、結果的に全体で間違った決断をする、という事態を未然に防ぐことができます。
人事や業績評価では公平な視点が特に求められます。悪魔の代弁者になる勇気をもつこと、そして悪魔の代弁者が現れた際には、その意見を聞き入れる姿勢を大切にしましょう。
企業では『反対意見が言える』という社風づくりも大切で、悪魔の代弁者はそういった面でも一役買ってくれるでしょう。