高年齢者雇用安定法とは?
少子高齢化が急速に進行し人口が減少する中で、経済の活力を維持するため、働く意欲がある人々が年齢に関係なく、個人の能力を十分に発揮できるように、と定められた法律です。
これにより、働き続けたい70歳までの人々が安定的に働ける環境が以前に比べ、整いました。
定年退職者を雇用する利点
JobStreet.comによると、定年した退職者を雇用する利点として以下をあげています。
豊富な経験
革新性や創造性を持ちあわせているのはもちろんですが、いざとなったときに経験に勝るものはありません。経験豊富な人材は、経験の浅い人材に比べ、監督やトレーニングが少なくて済む可能性が高いです。
また、彼らは、長年の努力から生まれた独自のスキルや知識を持っています。人事担当者は、新入社員がいくらトレーニングを受けても、20年の実務経験から得た知恵を身につけることはできない、ということを心に留めておくといいかもしれません。
大人の対応力
年を重ねるごとに、献身的で責任感のある人が増えてきます。そのため、彼らは、職場で責任を持って仕事を遂行し、時間内に物事を完了させる可能性が高くなります。
また、経験年数が長いため、職場における礼儀や文化的な感覚をより深く理解しており、職場での衝突の可能性を低くすることができます。
さらに、経験豊富な社員は、くだらないうわさ話や職場の雑談に耳を傾けることも少なく、目の前の仕事に集中し、自分の行動が一番だと考える傾向があります。
忠誠心
彼らは仕事に大きな満足感を得ることができ、人生における自分の立場に満足していることが多いです。新卒の社員が出世にこだわるのに対し、年配の社員は安定にこだわります。
Pew Research CentreのSocial and Demographic Trendsプロジェクトが実施した調査によると、65歳以上の労働者の50%以上が、「自分がまだ働いているのは、そうしたいから。」と回答しています。また、65歳以上の労働者の54%が、現在の仕事に「完全に満足している。」と認めています。
つまり彼らは、自分の仕事に満足している限り、組織に留まる可能性が高いということです。
人事担当者にとってこれは、離職率の低下や再雇用・再教育コストの削減につながるでしょう。
今後の課題
日本では、2030年には、高齢化率 (65歳以上が総人口に占める割合) は31.8%になると見込まれています。
つまり、国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者になるのです。
今後は、定年した高齢者がより活躍できるように、それぞれの企業の環境に合わせたルールの制定や業務の調整が必要になってくるでしょう。
年配の従業員は会社での経験が豊富で、より献身的で責任感がある傾向がある一方、若い従業員は新しいアイデアに対してオープンであり、会社のイノベーションに必要な人材です。
彼らが協力して新しい視点をもたらし、企業の全体的な進化を手助けするかもしれません。