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日本は定年退職後も働く時代に…?【高年齢者雇用安定法】

筆者が住むフランスでは、年金の受給開始年齢の引き上げに関するデモが毎日のように繰り返されています。

現在フランスの年金の受給年齢は62歳ですが、それを64歳に引き上げることに対し、国民が反発している状況です。

フランス以外の国はどうなっているのでしょうか?各国の年金受給年齢について調べた結果は、下記の通りです。

参考:日本年金機構「主要各国の年金制度の概要」

■各国の年金受給年齢

「今よりさらに長く働くのはイヤだ!」とフランスににて反発デモが起こってる一方、日本では、高年齢者雇用安定法が令和3年4月に施行され、65歳までの雇用確保が義務付けられたことに加え、65歳から70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となりました。

高年齢者雇用安定法とはいったいどういう法律なのでしょうか?この記事では、高年齢者雇用安定法について詳しく解説し、定年退職者を雇用する利点や今後の課題について説明します。

高年齢者雇用安定法とは?

少子高齢化が急速に進行し人口が減少する中で、経済の活力を維持するため、働く意欲がある人々が年齢に関係なく、個人の能力を十分に発揮できるように、と定められた法律です。

これにより、働き続けたい70歳までの人々が安定的に働ける環境が以前に比べ、整いました。

定年退職者を雇用する利点

JobStreet.comによると、定年した退職者を雇用する利点として以下をあげています。

豊富な経験

革新性や創造性を持ちあわせているのはもちろんですが、いざとなったときに経験に勝るものはありません。経験豊富な人材は、経験の浅い人材に比べ、監督やトレーニングが少なくて済む可能性が高いです。

また、彼らは、長年の努力から生まれた独自のスキルや知識を持っています。人事担当者は、新入社員がいくらトレーニングを受けても、20年の実務経験から得た知恵を身につけることはできない、ということを心に留めておくといいかもしれません。

大人の対応力

年を重ねるごとに、献身的で責任感のある人が増えてきます。そのため、彼らは、職場で責任を持って仕事を遂行し、時間内に物事を完了させる可能性が高くなります。

また、経験年数が長いため、職場における礼儀や文化的な感覚をより深く理解しており、職場での衝突の可能性を低くすることができます。

さらに、経験豊富な社員は、くだらないうわさ話や職場の雑談に耳を傾けることも少なく、目の前の仕事に集中し、自分の行動が一番だと考える傾向があります。

忠誠心

彼らは仕事に大きな満足感を得ることができ、人生における自分の立場に満足していることが多いです。新卒の社員が出世にこだわるのに対し、年配の社員は安定にこだわります。

Pew Research CentreのSocial and Demographic Trendsプロジェクトが実施した調査によると、65歳以上の労働者の50%以上が、「自分がまだ働いているのは、そうしたいから。」と回答しています。また、65歳以上の労働者の54%が、現在の仕事に「完全に満足している。」と認めています。

つまり彼らは、自分の仕事に満足している限り、組織に留まる可能性が高いということです。
人事担当者にとってこれは、離職率の低下や再雇用・再教育コストの削減につながるでしょう。

今後の課題

日本では、2030年には、高齢化率 (65歳以上が総人口に占める割合) は31.8%になると見込まれています。
つまり、国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者になるのです。

今後は、定年した高齢者がより活躍できるように、それぞれの企業の環境に合わせたルールの制定や業務の調整が必要になってくるでしょう。

年配の従業員は会社での経験が豊富で、より献身的で責任感がある傾向がある一方、若い従業員は新しいアイデアに対してオープンであり、会社のイノベーションに必要な人材です。

彼らが協力して新しい視点をもたらし、企業の全体的な進化を手助けするかもしれません。

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