アルムナイ採用を成功に導く3つのポイント
アルムナイ採用を成功させるためのポイントを、ここでは3つ紹介します。
それは以下の通りです。
①アルムナイとWin-Winの関係を構築する
②アルムナイが戻りやすい環境を作る
③既存の社員への配慮を忘れない
これら3つのポイントについて、ここから詳しく解説します。
ポイント①:アルムナイとWin-Winの関係を構築する
企業の目線で考えれば、アルムナイは魅力的な人材です。
企業の理念や業務の進め方にある程度の理解があり、場合によっては人間関係の構築もできているかもしれません。
そのため、教育コストの削減やミスマッチを起こしにくいというのがアルムナイ採用のメリットでもあります。
一方、アルムナイにしてみれば、一度は離職した企業に戻るということへの心理的ハードルもあります。
退職に至った理由は「出産」「転居」「転職」「仕事上でのトラブル」など、様々だと思いますが、その点をクリアしないことにはアルムナイを採用することは難しいと言えます。
そのため、アルムナイ採用を成功させるためには「Win₋Winの関係を構築する」ことが重要です。
具体的には、アルムナイが働きやすいようにリモートワークでの仕事を認めることや、アルムナイ限定の情報を発信すること。さらにアルムナイ対象の割引制度などです。
このように、企業目線だけではなくアルムナイ目線で採用プロセスを考えることができれば、アルムナイの採用成功に一歩近づくでしょう。
ポイント②:アルムナイが戻りやすい環境を作る
先述の通り、アルムナイには一度退職した職場へ戻るということに対する心理的なハードルがあります。
例えば「アルムナイ採用といっても、また採用試験を受けて、面接をして昔の後輩の後輩になるのは・・・」と考えている退職者も少なくありません。
これでは「また企業に戻って働きたい」とは、なかなか思えないのではないでしょうか。
アルムナイ採用を成功させるポイントは戻りやすい環境を作ることです。
戻りやすい環境というのは、企業の特徴やアルムナイが離職した理由によっても変わってくるので、一概には言えませんが、企業側がアルムナイのことを考え、どのような環境整備を行えば、戻りたいと思ってもらえるかという点を考えることで、アルムナイ採用を成功させることができます。
実際に企業が行っている実践例は、この後紹介するのでぜひご覧ください。
ポイント③:既存の社員への配慮を忘れない
アルムナイ採用は、通常の採用プロセスとは違った流れで人材を確保します。
そのため、採用方法や採用後の待遇に特別感が出てしまいます。
アルムナイのことを考えることはとても大切なことですが、そこに力を入れすぎたあまり、既存の社員から不満が噴出してしまっては本末転倒です。
アルムナイと言えど、採用されるまでは外部の人間です。優秀な人材の確保も大切ですが、今まさに働いてくれている社員の仕事ぶりを評価しアルムナイばかり優遇されていると不信感を抱かせないことが大切です。
アルムナイの事情と、既存の社員への配慮。両方のバランスをとりながら、進めていくことがアルムナイ採用を成功させるポイントです。
アルムナイ採用成功のための実践例
アルムナイ採用を成功させている企業が行っている実践例について紹介します。前述した3つのポイントに沿って説明しますので、ご自身の企業にマッチした方法を確認してみてください。
株式会社ニトリホールディングス:アルムナイに有益な情報発信
株式会社ニトリホールディングスでは、アルムナイと持続的な関係性を構築するためのアルムナイネットワークを作っています。
ニトリは、「個人の成長が企業の成長に繋がる」という理念のもと、社員のキャリア形成に力を入れてきた会社です。
そんなニトリでは、構築したアルムナイネットワークにニトリのニュースや採用情報などの会社の変化や進化を共有するほか、イベント情報や、アルムナイに有益な情報を発信しています。
このように、単純にアルムナイを企業側から見た即戦力としてだけではなく、個人としてのキャリアアップを応援し、何かあればいつでも戻ってこられるというメッセージを送ることが、アルムナイ採用を成功させる一因と言えるのではないでしょうか。
株式会社オレコン:メール一本で復職可能
株式会社オレコンは、リモートワーク推進企業として、社員がやりたい仕事に本気で取り組めるように支援している会社です。
会社名の「オレコン」は「オレのコントロールを取り戻す」からきていて、それこそがオレコンの目指すビジョンであり、働く目的になっています。
そして、そんなオレコンではアルムナイが希望すればメール一本で復職ができるという環境を整えています。
その際、試験免除、面接免除、時給は退職時の時給からスタートという仕組みです。
アルムナイ側には「復職したいけど一から試験を受けるのは・・・」という心理的ハードルがあります。
オレコンのように、そういったアルムナイの心理的ハードルを下げ、復職しやすい環境を整えてあげることがアルムナイ採用を成功させる要因になります。
ヤフー株式会社:アルムナイと既存社員のネットワーク作り
最後に紹介するのはヤフー株式会社です。この会社では「モトヤフ」と呼ばれる退職者たちで作るネットワークを構築しています。
モトヤフでは退職者に向けた情報提供やイベントの案内などが送られ、新しいネットワークの構築やコラボレーションの創出などを目指しています。
一方で既存社員との交流の場としても活用することで、アルムナイだけではなく、既存社員にもメリットがあるようなネットワーク作りをしています。
このように、アルムナイへの配慮だけではなく、既存社員への配慮を忘れず良いバランスをとることが、アルムナイ採用には大切といえます。
中小企業はアルムナイが戻りやすい環境を作るのがおすすめ!
即戦力であるアルムナイを採用するためには、アルムナイの立場で考え、企業側の思惑とバランスをとることが重要だということをお伝えさせていただきました。
しかし
「アルムナイのチャレンジを積極的に支援するには予算が足りない」
「ネットワーク作りにも手間と時間がかかるため現実的ではない」
そんな風にお考えの経営者の方も多いのではないでしょうか。
そういった「限られたリソースの中でアルムナイ採用を成功させたい」と考えている場合は、ポイントで紹介した中でも「アルムナイが戻りやすい環境を作る」ことから取り組んでみてはいかがでしょうか。
離職者フォローを徹底して、企業にポジティブな印象を持ったまま退職をしていただくこと。退職後も戻りやすい環境を整えておくこと。この2点を意識するだけでも、アルムナイ採用の成功率は格段に高まるでしょう。
ぜひ、本記事を参考に即戦力であるアルムナイを採用できるように取り組んでみてください。
参考サイト