職場での燃え尽き症候群とは?
仕事中のちょっとしたストレスは、よくあることで誰もが経験していることでしょう。
しかし、慢性的で管理がされていないストレスは、燃え尽き症候群につながる可能性があります。
燃え尽き症候群とは、精神的・肉体的な疲労が蓄積し、不安や抑うつ、自我の喪失につながることが多い状態です。
2021年APAの仕事に関する調査では、2019年と比較して身体的・精神的疲労が38%増加したと報告されています。
5人に3人近くの従業員が、慢性的な職場のストレスによる悪影響を経験していると回答しています。
2022年の職場では、従業員の統計は良いとは言えず86%のリモートワーカーが現在の職場で燃え尽き症候群を経験していると報告しています。
この統計は、対面で働く従業員のほうが70%とはるかに優れているわけではありません。
これは、働く人のメンタルヘルスに深く影響し、職場の生産性、効率、離職率に影響を及ぼします。
リーダーは、職場の燃え尽き症候群を防ぐためにできることがあるはずです。
私はそれについてお話ししましょう。
リモートチームにおける職場の燃え尽き症候群を回避するための7つのヒント
チームを牽引するには、実際のデータの活用が欠かせません。
1. Zoomミーティングの疲労を防ぐ
“会議を終了する前に、どなたかご質問はありませんか?”
“いいえ、誰も質問はありません、デブラ、私は6分前に別の電話に出ているはずだったの!”
私たちは皆、会議から次の会議へと飛び回った経験があるでしょう。
仕事が山積みになっている中、問題を解決するために話し合いが必要ですが、ZoomやTeams、Google Hangoutsを使った会議が続くと、社員は皆疲弊してしまいます。
社員が燃え尽きないようにするために、リーダーは連続した会議の設定や、5分おきの「クイックコール」は避けるべきです。
その代わり、明確な議題を持った計画的な会議を設定しましょう。
会議の議題は、すべてを予定通りに進めるのに役立ち、出席者は何を期待されているか何を求められているかを知ることができます。
これによりストレスが軽減され、生産性が向上します。
会議をし過ぎるとその有用性が失われます。
なぜなら私たちは皆、社会的に疲れていて、ただ電話を切りたいだけだからです。
2. 集中する時間の工夫
2021年のGitLabのリモートワークレポートでは、従業員は仕事における最大の苦痛は気が散ること(25%)と多すぎる会議(17%)と回答しています。
集中して誰にも邪魔されずに仕事をする時間が必要なのです。
何らかのポリシーを導入し、従業員のカレンダーに一度に2時間以上の時間を確保するようにすれば、仕事量をこなすのに役立つでしょう。
このような工夫をすることで、社員はリフレッシュして「ヘッドアップ」の時間に臨むことができるのではないでしょうか。
Head up(ヘッドアップ): 新しい解決策に焦点を当てる、新しいアイデアを受け入れる、将来を見る、未来の問題解決、革新、協力する
Heads down(ヘッドダウン) : 納品に集中する、仕事をやり遂げる、共同作業や気晴らし、影響力を避ける、今に集中する。
燃え尽き症候群にならないためには、バランスをとることが必要です。
3.目標を明確にし、規則や条件を変えないこと
現代の職場では、すべてが常に変化していることが当たり前になっています。
解決すべき新しい問題、新しい従業員、新しいリーダー、そして新しい市場への挑戦があります。
しかしリーダーとして、それらの役割に対し四半期を通した明確な目標が必要です。
もし、あなたの期待が常に変化するようであれば、従業員は決して目標を達成することはできません。
目標を動かし続けても、チームが仕事に従事し満足してくれるとは限りません。
目標を明確にし、それを明確に従業員に伝え、連絡を取り合いパフォーマンスを評価しましょう。
しかし、この目標が達成されることを期待するのではなく、新しい目標をチームに投げかけることも必要です。
期待値を明確に。
そして目標を見据え、素晴らしいチームには報酬を与えましょう。
4.メンタルヘルスケアを含む医療保障の提供
職場の満足度を考える上で、医療は非常に重要です。
実際、”リモートワーカーの56%は、高い給料よりも会社負担の健康保険を希望しています。”
職場の燃え尽き症候群を防ぐには、チームの心身の健康が非常に重要です。
あなたのチームが燃え尽き症候群になることを確実に防ぐため、メンタルヘルスケアを提供する保険に含まれていることを確認してください。
もしそれができないのであれば、あなたのチームを守ってください。
メンタルヘルスケアは、燃え尽き症候群の予防に欠かせない心のセルフケアです。
優れた医療保険制度を提供すること自体が、仕事のやりがい、会社への忠誠心、仕事へのモチベーションを高めます。
5.人を中心とした透明性の高い職場がつながりを育む
企業では、「人間優先」ということがよく言われますが、それはどういうことでしょうか?
人間優先の企業とは、利益よりも従業員の健康、幸福、満足を優先させることです。
16時間労働は、時間とともに利益を増加させるのでしょうか?
その答えはそうかもしれません。
しかしそれは、チームの士気を下げ疲弊させるでしょう。
一方で、労働賃金やストックオプション(会社の経営者や従業員が自社株を一定の行使価格で購入できる権利)について話すことをタブーにするか、透明性のある人間優先の職場環境を作ることもできます。
人間優先とは、従業員の利益になる意思決定をすることです。
具体的には、企業理念の具体化、社員の賞賛と指導の強化、利益分配の実施、賃金の透明化、リーダーシップに対する社員からの匿名評価などが挙げられます。
人間優先の企業は、従業員がサポートされていると感じるために何が必要かを尋ね、それを実現します。
これは常識のように聞こえますが、実際にはあまり一般的ではありません。
2021年のGitLabのリモートワークレポートでは、34%の社員がリーダーシップの透明性が連結性の向上につながったと指摘しています。
組織内の可視性の向上も同様です。
人間優先の企業では、従業員は自分がサポートされていると感じ、それだけで1日の終わりに燃え尽き症候群になることを抑制することができます。
6.境界を設定し従業員に境界を守るよう促す
パンデミックが始まったとき、私たちは皆、リモートでの環境やハイブリッド環境に切り替えたのですが、そのとき最初に行ったのは「境界線をつくること」でした。
寝室で仕事ができるのなら、四六時中そうしていてもいいはずです。
しかしその答えは、境界線でした。
GitHubの調査回答者の42%が、自宅で仕事をする際に境界線を維持するのに苦労していると報告しています。
もしあなたのチームが境界線を曖昧にしたままだと、職場の燃え尽き症候群に悩まされる可能性が高くなるのです。
夜中や日曜日の午後7時にEメールに返信しないようにしましょう。
(どうしても必要なら、勤務時間内に送信するようにスケジュールしてください。)
人々が退社する準備をしている午後4時40分に、全員参加のスケジュールを組まないでください。
そのような人物にならないようにしましょう。
従業員に対し休日や週末を返上して働くことを強要したり休暇を拒否するのはやめましょう。
リーダーとしての境界線を維持することで、誰もが安心して同じように行動ができます。
従業員は決められた勤務時間内に働き、それ以外の時間は自由に生活することが期待されていることを、採用時に明確にしておきます。
有給休暇を計画的に取得するように促し、チームメイトに合わせて仕事量を調整できるようにしましょう。
結局のところ、私たちは人間であって従業員ではないのです。
7.予定されていないカジュアルなミーティングを予定する
私は、会議で埋め尽くされたカレンダーは嫌いですが、カジュアルなコミュニケーションの場を設けることは重要だと考えています。
オフィスでは、社員が休憩室で話をしたり、カフェの店員に挨拶したりする光景を目にすることができます。
単純なことですが、このような人と人との交流は、私たちの幸福のために必要なのです。
職場調査の「最大の苦痛」では、「断絶感」「孤立感」が3位にランクインしています。
週に一度、自由に出入りできるコーヒータイムを設けるとよいでしょう(ただし、おしゃべりを終わらせたり、社員の誕生日を知らせたりする司会者がいると良いかもしれません。)
このようなシンプルな交流は、ストレスを和らげ、社員同士がつながり、リラックスするのに役立つかもしれません。
自宅で仕事をすると、信じられないほど孤立してしまい、精神衛生上よくないことがあります。
コミュニケーションラインを開くことによって、孤立してしまう可能性を少なくしましょう。
重要なポイント
私たちの集団的な仕事文化は、すっかり変わりました。
この変化は、職場の燃え尽き症候群の可能性を高め、リーダーはそれを回避するために努力する必要があります。
私たちのワークライフが変化したことで、チームを幸せで健康に保つための社内目標も変化しています。