ブレインストーミングの歴史
ブレインストーミングは、「Brain(脳)」と「Storming(嵐)」の2つの語源からなる言葉です。
1939年に広告代理店BBDOの執行副社長であるアレックス・ファイクニー・オズボーンによって初めて使用されました。
ブレインストーミングを考案することとなったきっかけは、従業員が斬新な新しいアイデアを生み出せなかったことに不満を感じたためだと言われています。
ブレインストーミングで守るべき4つのルール
ブレインストーミングには押さえるべき4つのルールがあります。
早速、そのルールを見てみましょう。
アイデアに対する批判・評価はしない
アイデアに対する厳しい評価は、創造的なアイデアを出す妨げとなる可能性があります。
ブレインストーミングでは、批判的な評価は控え、新しいアイデアの発想を奨励し、支持する環境を作り出すことが重要です。
批判・評価されることが気になって意見を出せなくなってしまう‥そんな事態は極力避けなければなりません。
アイデアの質より量を重視する
ブレインストーミングでは、アイデアの質より量を重視します。
最初から実現可能な素晴らしいアイデアを見つけることは難しいと思いませんか?
質を重視しすぎると、決まった枠にとらわれてアイデアを生み出すことなんてできません。
したがって、より多くのアイデアを思いつく・出すことが、最終的に質の高いアイデアにつながるのです。
どんなアイデアも受け入れる
議題から外れているアイデアや奇抜で大げさなアイデアも、最初から否定せずにすべてのアイデアを歓迎する雰囲気作りを大切にしましょう。
出てきたアイデアすべてを受け入れる。これがブレインストーミングの成功につながります。
複数のアイデアを統合し発展させる
アイデアを増やすために、お互いの提案を元に新しいアイデアを生み出すことが大切です。
お互いの提案を補完・統合し発展することが、結論にたどり着く近道になるでしょう。
ブレインストーミングのメリット
会議に用いられるブレインストーミングですが、社内ではどういったメリットがあるのでしょうか?
早速見ていきましょう。
従業員の成長
ブレーンストーミングでは、全員が自由にアイデアを提案できます。
ただし、最初から革新的なアイデアを生み出すことは難しいものです。
さまざまなアイデアに触れ、新しいアプローチを見つけることで従業員自身が視野を広げることができます。
また、アイデアを歓迎する雰囲気の中、多くのアイデアに触れることでその議題に詳しくない人でも、考えているコンセプトについてオープンに話すことができるようになります。
多くのアイデアに出会える
ブレインストーミングの一番の特徴は、さまざまなアイデア・発想に出会えることです。
複数名から意見を出し合うことで、自分では思いつかないようなアイデアに出会えたり、出し合った意見を補完・統合することでまた新たなアイデアを引き出すことができます。
アイデアを蓄積できる
ブレインストーミングでは、多くのアイデア・意見が出てきます。
出てきたアイデアをすべて起用するわけではないため、その中には、すぐに取り入れないアイデアももちろんあります。
しかし、そのアイデアをその場で「はい、終わり」とするのではなく、リスト化して蓄積していきましょう。
出てきたアイデアを目に見える形で残しておくことで、別の議題で役に立ったり、思わぬヒントになる‥ということもあるのです。
チームワークの向上
ブレインストーミングに参加することで、チーム力が高まり、メンバー同士がサポートし合う機会が増えます。
ブレインストーミングに参加したことで、一体感が生まれ、一人ひとりの働きかけがプロジェクトの成功につながります。
ブレインストーミングを行う前に準備すること
ブレインストーミングを成功させるには、事前準備が大切です。
それでは、準備するポイントを見ていきましょう。
議題・目的を明確にする
議題がまとまっていない状態でブレインストーミングをしたところで、いいアイデアは生まれるでしょうか?
的外れなアイデアが出てきたり、議題とは関係ない議論が繰り広げられる可能性があります。
そこで、まずは議題と目的を明確にしておくことが重要です。
ブレインストーミングの議題と目的が明確であれば、参加者も「何のために提案するのか」「何を求めているのか」を理解し、自発的に考え、意見を出し合うようになります。
事前に「課題・目的は何なのか」「最終的にどうしていきたいのか」など、目的をまとめておきましょう。
最適な人数で実施する
ブレインストーミングは、さまざまなアイデアを集めるのが目的ですが、人数が多ければいいというものではありません。
少なすぎると出てくるアイデアに限りがあったり、多すぎると満遍なく意見を出し合えなかったりと偏りが出てしまいます。
ブレインストーミングを行う人数は、5~8名程度がいいでしょう。
参加者の選出を考慮する
ブレインストーミングでは、さまざまなアイデア・意見を集めるため役職・部署・年代・性格などが異なる人選をしましょう。
似通ったメンバーで行っても、同じようなアイデアが出てくる可能性が高まるだけです。
より多くの違った視点からのアイデアを集めるためにも、さまざまなポジションのメンバーを選出することが大切です。
進行係と書記の選出
ブレインストーミングに限らずですが、会議が円滑に行われているかを管理し、内容が議題と逸れてしまった場合は軌道修正する必要があります。
そこで、重要な役割を果たすのが進行係です。
議論がスムーズに行われるように進行し、出てきたアイデアに対して肯定的な意見を述べたりして、意見を出し合いやすい雰囲気をコントロールします。
議論の内容・流れを理解し、必要に応じて軌道修正を行います。
進行係を選出したら、次は書記の選出です。
書記は、ホワイトボードなどを用いて出てきたアイデアを参加者に見える形で記録します。
付箋に一つ一つアイデアを書いてホワイトボードに貼っていき、類ごとに付箋を貼って情報整理することもおすすめです。
全員がパソコンを持って参加する場合、スプレッドシートなどの共有シートを使用して、出てきた意見を打ち込んでいくのもいいでしょう。
適切な進行係と書記を配置し、より効率的な会議にしましょう。
まとめ
ブレインストーミングは、「Brain(脳)」と「Storming(嵐)」の語源から「複数の脳で嵐のようにあれこれアイデアを出す」と考えられます。
意見を自由に交換し合う議論を行うことで、より優れたアイデアが生まれ、それによってより良い結果へと導くことができます。
ブレインストーミングを積極的に活用し、多角的な視点・アイデアを持続的に集めましょう。
そうすることが、従業員の成長・チームワークの向上だけでなく、組織全体の成長につながるのです。
この記事が、少しでもお役に立てたら幸いです。
引用元記事
The 5 Benefits of Brainstorming
Advantages and Disadvantages of Brainstorming
Brainstorming – An Indispensable Art for HR Personnel Today