マネジメント

会議が脱線する【4つの原因】とその対処法

会議は、団結を促進し、コミュニケーション、計画、調整を促進するため、目標を達成するために重要ですが、それは効果的に運営される場合に限られます。会議の運営が適切でないと、チームのパフォーマンス、結束力、そして最終的には目標達成の成功に悪影響を及ぼします。

こんな状況になったことはありませんか?

オフィスにいるあなたは同僚に「マーケティング部から新製品発表があるらしいから10時から会議出席してね。」と言われます。なんとなく会議に出席すると、マーケティング部のAさんが新しい製品を紹介し始めます。

しかし、数分もたたないうちに、マーケティング上級幹部のBさんが会社の文化や上層部からのサポートの不足について不平を言い始めたとき、会話は一変します。これにより、新製品の発売ではなく、企業文化に関する無関係な白熱した議論が始まります。

このように会議の脱線がおこるのには理由があります。ここでは【会議の脱線を引き起こす4 つの問題行動】をご紹介します。
生産性、効率性、有効性を確保するには、管理者はこれらの行動が現れたときにそれを発見し、防止し、対処する方法を知る必要があります。

会議が脱線する4つの原因

①引っ張られ問題

これらは、重力と同じように、チーム レベルでは根本的に解決できない課題や問題についてチーム メンバーが議論することに夢中になったときに発生します。

これを解決しようとすると、時間、精神的能力、モチベーションが解決可能な問題から逸れてしまい、チームのイライラにつながります。

②思い込みすぎ問題

これは、チームメンバーが特定の問題、人物、さらには自分自身について過剰な、または検証されていない仮定を立てた場合に発生します。

いくつかの仮定は必要ですが、検証せずにそれらに過度に依存すると、不正確または不完全な情報に基づいて決定を下す可能性があります。

③ネガティブすぎ問題

スタンフォード大学ビジネススクールのリーダーシップ・ファシリテーターであるルイス・ベラスケス氏が「迷惑なネガティブ思考」と呼んでいる非生産的な思考パターンも、会議の結果に影響を与える可能性があります。

それらには以下のようにいくつかのパターンがあります。

  • 全か無かの思考:  1つの要素が完璧ではないからと言って全体を失敗として却下してしまう思考です。この悲観的な考え方は、チームが建設的な解決策を考え出すことを困難にし、会議全体の雰囲気を悪くします。

  • 過剰な一般化: 1つの否定的なレビューを見て、全員がその製品を嫌っていると結論付けてしまう思考です。過剰に一般化をしてしまうと会話は脱線し、チームは改善すべき領域を特定するのではなく、製品を守ることに集中することになるのです。

  • 感情的な推論: 自分のアイデアに同意が得られないからと言ってチーム内の自分の在り方に自信を喪失したメンバーがいた場合、チームはアイデアのメリットについて議論する代わりに、そのメンバーを安心させることに時間を浪費してしまいます。

④リス追い問題

チームメンバーの中には、会議の目的に集中し続けることが難しく、無関係で、解決できない話(つまり、リス)を持ち込んでしまう人もいます。

たとえば、潜在的な顧客に対する売り込みの最終決定に焦点を当てた会議で、あるメンバーが、自分が管理している別のプロジェクトの詳細について議論し続けたとします。

チームの進行中の作業には関連しますが、チームミーティングの焦点とは無関係です。彼の口出しはチームの注意をそらし、セールストークを効果的かつ効率的にまとめることができなくなります。

チームがリスを追いかけると時間を無駄にし、他のチームメンバーをイライラさせます。

会議脱線を防ぐ対処法

チームメンバーが主題から逸脱することなく、関連する問題のみに対処できるようにするには、主催者は次のことを行う必要があります。

①主な目的の決定

この会議の目標は、意思決定なのか、アイディア出しなのか、意見を一致させることなのか、それとも何か別のものなのか?それを決めることなく、なんとなく定例会議を開催してしまうと脱線することが多くなります。

たとえば、意思決定会議では、さまざまな選択肢の中から選択を行うことが目的です。

したがって、主催者は選択肢・データ・意思決定者・意思決定プロセスを明確に理解する必要があります。

②議題を質問文に変える

たとえば議題を「プロジェクトXの目標設定」とする代わりに、「プロジェクトXの成果物は何ですか?」という質問文にします。

こうすることで、チームメンバーは会議に出席する前から考えられる解決策について考え始めることができます。

③直接的な役割を持つチームメンバーのみを招待する

たとえば、ブレーンストーミング会議では、多様で革新的なアイデアを刺激するために、さまざまな背景や視点を持つ人を招待します。

逆に、意思決定会議では、出席者はオプションと関連データを明確に理解し、適切な意思決定権限を持っていなければなりません。

トピックに関係する人全員を招待するのは魅力的ですが、脱線問題は混雑した集中力のない環境で起こりやすいことに注意してください。

準備と伝え方

会議への招待イベントリマインダーが『AM10:00 企画会議』のみになっていませんか?会議の焦点を効果的に伝えるには、招待されたチーム メンバーが事前に次の4つの重要な要素を理解する必要があります。

1.重要性: 会議が必要な理由と、その結果がもたらす潜在的な影響を説明します。これが明確であれば、出席者は会議の緊急性と重要性、そしてなぜ出席が不可欠であるかを理解するでしょう。

たとえば、「この会議では、当社の今後の製品発売に向けたマーケティング戦略が決定され、これは当社の売上とブランド認知度に影響を与えることになります。」と言うと会議内容が明確です。

2.関連性: 会議の焦点が、招待されたチームメンバーの仕事や目標にどのように直接関連しているかを明確に伝えます。

たとえば、「デザイン部門の責任者として、マーケティング戦略を決定するために、パッケージ デザインについてあなたの意見が必要です。」と言うことができます。これは、自分たちの責任と会議の目的との直接的な関係を理解するのに役立ちます。

3.準備: 各参加者が確実に準備できるよう、完了する必要がある事前作業を含め、各参加者に期待することを伝えます。

4.寛容性: 会議が脱線するのは仕方のないことです。しかし、先に述べた4つの『脱線犯』を前もって共通理解しておけば「あ、今リスが出ましたね?」とメンバー同士で明るく議題を元のレールに戻すことができます。

まとめ

会議脱線の要素とその行動を理解し、防止し、対処することで、チームの生産性が向上し、時間がかかり、非生産的で苦痛である会議が、成功への強力な手段に変わります。『脱線犯』に、あなたの目標達成の邪魔をさせないようにしましょう。

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