ビロンギングとは?
ビロンギング(belonging)とは、スタッフが快適に仕事をしながら自分の居場所はここだ!と強く感じる場合の帰属意識のことです。所属を意味する単語のbelongが基になっており、日本語では帰属性のことを指します。
ダイバーシティやインクルージョンの叶った職場でなければ、スタッフが心地よさを感じることは難しいので、ビロンギングはこれらの次の段階と考えることが出来ます。
どんなバックグラウンドを持ったスタッフでもこのビロンギングの意識をかなえられる様に、会社側が文化的多様性を持って職場環境改善をする必要があります。
様々な考え方を持つスタッフのビロンギングを叶える…難しそうに思われるかもしれませんが、このビロンギングにはそれ相応の大きなメリットがあります。
ビロンギングに注力するメリット
海外ビジネスサイトForbsでは、ビロンギングについて以下のように説明されています。
引用:The Business Case For Belonging (forbes.com)
つまり、逆に考えれば、ビロンギングを感じられる職場であれば、スタッフは会社のために発展や改善をしようと努力するようになり、生産性はグッとアップするということです。
また、居心地の良い会社であればスタッフは長く勤務することが出来るようになり、教育や採用にかかるコストカットや、スムーズな会社経営に結びつきます。
社外にも、様々なバックグラウンドを持つスタッフが共同している点は、プラスのアピールになることでしょう。
ビロンギングがないと起こること
ビロンギングがない会社では、以下のようなことが起こる可能性があります。
離職率が上がる
ビロンギングがないと、離職率が上がってしまいます。
会社に属したいという帰属意識が減ってしまうと、何か不満が生じた時に退職への抵抗が少なくなってしまうからです。
より好条件の会社へ転職しようとする可能性が高まります。人材の流出は会社にとって大きな痛手となるでしょう。
スタッフのモチベーションが下がる
ビロンギングがない会社では、スタッフのモチベーションも低下してしまいます。
会社そのものに「居場所がない」、「愛着がない」と感じていると、会社を成長させようという意識を保てなくなってしまうからです。
モチベーション低下が続くと、生活のために仕方なく働いているだけという状態に陥ってしまいます。
上司から指示された仕事だけする等、必要最低限の仕事しかしなくなり、高い成果を出せず生産性が下がってしまうでしょう。
コミュニケーションが減る
ビロンギングがない会社では、コミュニケーションが減ってしまいます。
なぜなら、自分の意見や考えを否定されると感じてしまうからです。
意見や情報を積極的に共有したいという意欲が少なくなり、会話も最低限で済ませようとしてしまいます。周りの人が困っていても「自分には関係ない」と感じるようになり、協力意識も低下してしまいます。
また、コミュニケーションが低下すると、会社が伝える理念や方針も浸透しにくくなる可能性もあるでしょう。
会社が同じ方向で業務を進めていくことも難しくなり、業績の低迷に繋がってしまうリスクもゼロではありません。
実際にビロンギングを叶えるポイント3点
ビロンギングの重要性は、ここまでで十分理解できたかと思います。
では、そのビロンギングの意識をどうやってスタッフに持ってもらうのか。これが最大のポイントです。こちらのForbs記事よりそのステップのご紹介です。
引用:Forbes:Missing Your People: Why Belonging Is So Important And How To Create It
① グループを作ること。
個人間の友情を育むだけでなく、会社内にサークルのようなグループをいくつか作り、様々なバックグラウンドを持つ人が、自分に合ったグループに入ることで、会社内に仲間を見つけ、帰属意識を高めることが出来ます。
② 正直であること。
人は正直であるときに信頼されます。いつもオープンで共感的でいれば、弱さが見えた時にも更なる団結力が生まれます。
この団結力や信頼関係がビロンギングにもつながります。
③ シグナルに敏感になること。
ビロンギングのない状態では、スタッフは孤独感や閉鎖感を感じている場合がほとんどです。
そのようなスタッフの状況を察知し、傾聴の姿勢、オープンな姿勢をとることで、スタッフは帰属意識を持つことが出来るようになるかもしれません。
ビロンギングに関するX(旧Twitter)の反応
最後に、ビロンギングに関する反応をX(旧Twitter)から見てみましょう。
ダイバーシティやインクルージョンがないところにビロンギングはない
ダイバーシティとインクルージョンがないところに、ビロンギングはないという意見がありました。
例えば、ダイバーシティを推進するとき、女性管理職や障がい者雇用の割合など、数字を達成することだけに気を取られていませんか?どのような会社を創り上げるのか考えていなければ、その取り組みは単なる数字を埋めただけに終わってしまうでしょう。
スタッフが「受け入れられている」と心地よく働くことができる環境を作るために、まずは、今行っているダイバーシティやインクルージョンの取り組みを見直すことが重要です。
エアビーがアフガン難民2万人に仮住居提供のニュース。”To create a world where anyone can belong anywhere”というカルチャーの体現でしかないし、「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)がないところに、ビロンギングはない」って言ってたの思い出して、痺れた。 pic.twitter.com/QShvcbrwU0
— 杏子🌸広報とDEI|SAKURUG (@kyoko397) August 24, 2021
ビロンギングは重要な概念である
ビロンギングは、重要な概念であるという意見も見られました。
ビロンギングの概念が広まれば、多様なスタッフが一体感を持ち、会社のために発展や改善に貢献してくれるでしょう。
ビロンギング(Belonging)
「自分らしさを発揮しつつ、組織に関わる心地よさ」ダイバーシティとか、インクルージョンと合わせてVUCAの時代にとても重要な概念。
こういう概念が広まれば、発達障害の雇用も促進されていくと思われる。
まだ新しい概念ですが、紹介です。
— とらっち@NPO法人ヴィータ理事長、(一社)FLAT共同代表 (@tanutora_88dev) June 6, 2022
言語とアイデンティティは密接に関係しているのに、なぜこれが社会学のテーマにされて日本語教育では扱わないのか、理解に苦しむ
アイデンティティやビロンギングはことばの教育において普通にテーマとして扱えるはずだしもっと扱われるべき
言語だけ教えて終わりではないし言語で何を教えるかが大事
— オーリ リチャ (Richa Ohri) (@richaohri) May 23, 2023
まとめ
ビジネスにおいて重要なビロンギング。
スタッフ側としては働くのであれば心地よい環境で長く働きたいものです。会社側としてもそれは大きなメリットになるので、上記で紹介した3つの方法から試してみると良いかもしれません。
スタッフがビロンギングを感じられるような取り組みを取り入れてみましょう。